探訪

少ない日射量に、積雪、分散地の「三重苦」を克服した、富山・八尾のメガソーラー

1000V対応パワコンなどによる効率化で実現

2015/01/06 00:00
加藤 伸一=日経BPクリーンテック研究所
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 建設コンサルタントの新日本コンサルタント(富山市)は2014年10月、富山県富山市八尾町上笹原地内にある市有地に、出力1260kWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「NiX 八尾ソーラーパワー」を竣工した(図1)。

図1●出力1260kWのメガソーラー「NiX 八尾ソーラーパワー」
(出所:日経BP)
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 富山市の環境モデル都市行動計画に基づく施策の一環として建設された。富山市は、2008年に環境モデル都市に選定され、同都市行動計画に基づいたメガソーラーの誘致や、太陽光発電システムの導入を促進している。

 新日本コンサルタントは、建設コンサルタントの傍ら、再生可能エネルギー発電事業を軸とするエネルギーマネジメント事業を展開し始めた。コンサルタントとして培った設計力や開発力を生かし、小水力発電と太陽光発電に取り組んでいる。

 発電事業は、固定価格買取制度(FIT)に基づく売電収入だけでなく、建設コンサルタント事業の拡大にも役立つとみている。

 富山を中心とした地域の再生可能エネルギー発電所の開発時のコンサルティングや設計などの受注といった相乗効果を見込んでいる。これによって、地域の雇用の確保にもつながり、地域に根ざした事業を継続的に伸ばしていく方針である。

 「地域の建設コンサルタントが、小水力発電と太陽光発電という二つの発電を自ら運営する試みは、おそらくは日本初ではないか」(新日本コンサルタントの阿曽克司取締役 水環境部門本部長 新エネルギー開発室 統括責任者)という。

 小水力発電所、メガソーラーともに、100%子会社のニックスニューエネルギー(富山市)が発電事業者となる。

 小水力発電では、2015年2月に発電を開始する予定の石川県金沢市の出力190kWを皮切りに、富山県南砺市の出力980kW、金沢市の出力200kWの案件を進めている。

 NiX 八尾ソーラーパワーの建設地では、かつてカドミウム汚染田を復元するための土を採取していた。富山市が跡地利用のため太陽光発電事業者を公募した。市有地を20年間、賃貸しし発電事業を運営する。

 神通川の下流にあたる富山県では、岐阜県の三井金属鉱業 神岡事業所から排出したカドミウムを含んだ廃水によって、四大公害病であるイタイイタイ病が発生した。八尾町は、カドミウムが水田の土壌に堆積し、農地被害が起きた地域の一つとして知られる。

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