自家消費型増加で東電と九電の売り上げ減少も

――太陽光の自家消費が増えると、電力ビジネスはどのように変わりますか。

ブルームバーグ・ニュー・エナジーファイナンス(BNEF)・川原武裕アナリスト

BNEF まず、電力会社の電力販売量が減っていきます。現在でも、余剰買い取りの家庭用太陽光によって家庭向け販売量が減っていますが、それが商業用でも起こります。国内でその影響が大きいと予想されるのが、東京電力と九州電力です。太陽光発電設備に関して、県別に設備認定された容量をその県の面積で割ると、「単位面積当たり設備量」が算出できます。その数値が相対的に大きいのが東電と九電管内なのです。それは、今後、自家消費型の分散電源が増えていった時に、設置量が大きくなる可能性を示しています。

 自家消費の太陽光を設置する需要家が増えるほど、電力会社からの受電量が減ります。その地域の電力会社の販売量は減り、収益も低下します。単なる電力販売から脱するような新たなビジネスモデルが必要かもしれません。実は、この問題はドイツやオーストラリアではすでに顕在化しており、電力会社は事業改革を迫られています。

――太陽光パネルメーカーの事業モデルにも影響しますか。

BNEF FIT後の自家消費型市場では、コスト削減の圧力がますます高まり、コスト競争力のある中国メーカーに有利です。ただ、国内の自家消費型市場を考えると、需要家との関係作りに強い国産メーカーが、O&M(運営・保守)や今後の電力システム改革とも絡めたソリューションビジネスとしてアプローチした場合、海外メーカーより強みを発揮できる可能性もあります。