FIT後には、年間4~5GWの持続的な需要に

――2017年以降、太陽光発電設備の導入量をどのように見込んでいますか。2017年以降も、「保留」の影響はないのですか。

BNEF FITでは、開始から3年間を「発電事業者の収益に特に配慮する」とし、いわゆるプレミア期間とされました。2015年6月で、それが終わります。その後、太陽光発電の買取制度は、廃止されるか、買取価格が大幅に下がるとみています。その結果、2015年をピークに太陽光発電設備の導入は減少しますが、それでも年間4GW程度の導入は続き、2020年以降は、再び増加に転じ、年間5GW程度の市場として安定するとみています(図3)。

図3●日本の発電設備容量の増加見通し(単位:GW)
(出所:ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス)
[画像のクリックで拡大表示]

――FITに頼らずに、自立的に年間4~5GWの市場が続くということですか。

BNEF そうです。FITなど太陽光発電設備への補助金がなくなっても数年すると、平準化発電コスト(LCOE:設備費や維持費、設備利用率などを加味したトータルの発電コスト)がもう一段劇的に低下します。これはドイツやオーストラリア、米カリフォルニア州など、FITなど補助制度の導入が早かった国々で共通して見られる現象です。補助制度のある間は、発電事業の収益性が高いので、設備コストは下げ止まります。補助制度がなくなると、思い切ってコストダウンしないと設備が売れません。

 このもう一段のコスト削減努力によって、国内でも太陽光発電のコストが大幅に下がります。日本の電力料金単価を考えれば、家庭用や商業用の電気代より安くなり、500kW未満程度の屋根上設置など、需要家設置の自家消費型(余剰買取型)太陽光発電は経済性が出てきます。ただ、それでも、全量売電を前提とした「電源」としてのコスト競争力は火力発電などに及ばないので、野立てのメガソーラー(大規模太陽光発電所)の設置はほとんどなくなるでしょう。

――日本では人件費が高いので、これ以上、設置コストは下がらないとの見方もあります。

BNEF それもよく聞かれる質問ですが、ドイツやオーストラリアは、日本と同程度かそれ以上に人件費が高い地域です。そうした先進国でも、さまざまな工夫によって太陽光発電の設置コストは大幅に下がり、市場は自家消費型に移行しています。