「来年、再来年は太陽光発電の拡大は続く」

ブルームバーグ・ニュー・エナジーファイナンス(BNEF)のアリ・イザディ駐日代表

 九州電力などが「保留」に踏み切ったにもかかわらず、足元の太陽光発電市場が伸びていく背景には、太陽光の設備認定量と、実際に稼働した容量に大きなギャップがあるからです。経済産業省が公表した7月末のデータでは、太陽光の設備認定は全国で69GWに達しています。一方で、稼働した設備は10.9GWに過ぎません。

 九州電力管内で見れば、設備認定量は17.9GWに達する一方、稼働したのは2.4GWに留まっています。17.9GWという設備容量は、九電のピーク需要(2014年)の110%にもなります。需要を超えて発電できないので、さすがにこの認定量をすべて接続するのは難しいでしょう。しかし、現時点の稼働量は2.4GWに過ぎず、これは九電管内の低負荷期の昼間需要である8GWと比べ、まだまだ受け入れる余裕があります。来年、再来年までは、太陽光発電設備の需要は拡大していきます。これは九州以外の地域でも同様です。

 すでに電力会社から系統接続の回答を受け取っている事業者はまったく心配ありませんし、設備メーカーの立場からは需要は拡大していきます。「保留」によって問題になるのは、連系承諾通知を受け取る前に、事業用地を確保したり、造成してしまったりした発電事業者です。これは報道されているように、経営的には厳しい状況になることもあるでしょう。

――電力会社の「保留」措置によって、BNEFでは中長期的な太陽光発電設備の導入予測を下方修正しましたか?

ブルームバーグ・ニュー・エナジーファイナンス(BNEF)・川原武裕アナリスト

BNEF 「保留」措置の発表前後で、市場予測は変えていません。というのは、もともと設備認定された案件のすべてが稼働するとは見込んでいなかったからです。土地取得や系統接続の制約を加味した上で、予測していました。接続保留も系統制約の1つですから、すでに折り込んでいたとも言えます。

――実際に稼働するのは、設備認定された容量のうちの何割ぐらいと見込んでいますか。

BNEF おおそよ50%です。逆に残りの50%は稼働しないとみています。こうした予測の根拠は、四半期ごとの太陽光発電設備の出荷実績と昨年の傾向を比較しつつ、1MW以上の案件については、報道や独自の情報ソースを元にデータベースを作り、アンケートなどから進行状況を調査しています。