探訪

冬場の土壌凍結に備えた杭基礎工法 夏は涼しい北海道・白糠のメガソーラー(page 4)

ユーラスエナジー、FIT開始前からの適地探索が奏功

2014/09/02 00:00
中西 清隆=日経BPクリーンテック研究所
印刷用ページ

寒冷地に欠かせない凍上対策

 道東の太平洋に接した比較的積雪が少ない地域とはいえ、そこは北海道である。冬場の対策は欠かせない。積雪の深さは50cm程度を想定し、パネルの設置高は1mとし、設置角は30度にした(図5)。基礎は工期を短縮できる杭基礎工法を採用し、杭は曲げ強度に優れるH形鋼を用いた。

図5●太陽光パネルの設置高は1m、設置角は30度(出所:ユーラスエナジー)
[画像のクリックで拡大表示]

 積雪が少ない分、土壌表面は直接寒気にさらされる。寒冷地では冬場、地表面に近い土壌が凍結して隆起する「凍上」現象がしばしば発生し、鉄道の線路を湾曲させたり、道路の舗装をひび割れさせるなどの被害を引き起こしてきた。太陽光発電所も土壌の隆起とともに架台が持ち上げられるようなことがあれば、パネルが傾き、最悪の場合、倒壊などにつながる恐れもある。そこで冬場の凍上が基礎や架台に及ぼす影響を実地で検証した。その成果から、杭基礎を土壌が凍結しない深さまでしっかり打ち込むなど凍上対策にも万全を期した(図6)。

図6●H形鋼を杭に用いた杭基礎工法を採用(出所:ユーラスエナジー)
[画像のクリックで拡大表示]

 白糠はユーラスエナジーにとって、2013年9月に大阪府泉南郡岬町に完成した出力10MWの「ユーラス岬ソーラーパーク」に次ぐ国内2カ所目のメガソーラーなる。現在、青森県六ヶ所村など全国5カ所で合計192.5MWという大規模な太陽光発電所建設を進めている。風力発電所も全国4カ所で合計91.7MWを建設中だ。FITが始まる前から蓄積してきた事業経験をベースに太陽光や風力の建設を加速させていく。

●発電所概要
名称ユーラス白糠ソーラーパーク
発電事業者ユーラスエナジーホールディングス
所在地北海道白糠郡白糠町庶路甲区・コイトイ地区
敷地面積62ha
出力30MW
太陽光パネル京セラ製
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
EPC(設計・調達・施工)サービス四電エンジニアリング
売電開始日2014年2月
  • 記事ランキング