東大在籍中の「研究者の卵」が遺伝子解析ベンチャー立ち上げに託す思い(page 2)

「遺伝情報を知る権利を守りたい」、ジーンクエスト 高橋祥子氏に聞く

2014/05/20 00:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 日本においても遺伝子解析への注目度が高まりつつある今、きちんとした科学的根拠に基づくサービスが生まれなくてはならない。これが起業にあたっての問題意識でした。いい加減なサービスが乱立してしまえば、遺伝子解析に関する規制が厳しくなり、一般人が自分の遺伝情報を知る権利を奪われてしまいかねません。今ならばそれを避ける方向に持っていくことが可能だと思ったのです。

 これまで、個人の身体に関わる情報はもっぱら医療機関が占有していました。これに対し、遺伝情報はこの先、個人が保有するものになっていく。これによって、これまで存在した情報の非対称性が解消されていく可能性があります。このことは、情報を保有するようになる一般人にも遺伝情報に関するリテラシーが求められることを意味しています。教育の重要性が増すでしょう。

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 起業のもう一つの理由には、研究者としての視点がありました。遺伝子解析サービスで多くの人の遺伝情報を集めることができれば、それは研究に資するデータになる。我々は1万人のサービス利用者を獲得することを当面の目標としています。1万人分のデータが集まれば、日本人の遺伝情報に関してかなりのことが分かる可能性があるからです。

 (米国でいち早く個人向け遺伝子解析サービスを始めたことで知られる)「23andMe」は10万人を超える米国人の遺伝情報を集めることができた。これによって新たな知見がいくつも得られているようです。実は、日本は米国に比べて人種が均質なため、遺伝子解析により向いています。解析データから特定の傾向を抽出しやすいからです。ヒトゲノムは既に解読されたわけですが、疾病や体質との関わりが分かっているものはそのうち1%ほどだと言われます。まだまだ未知なことが多いのです。

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