――遺伝子解析の結果に基づく「解釈」は、「診断」とは異なるのでしょうか。

 診断とは別物です。我々は「あなたは将来こういう病気になる」という診断を下すわけではありません。あくまでも科学的根拠に基づく情報を提供し、それを生活習慣の改善につなげてもらおうというスタンスです。

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 23andMeがFDAの審査基準にひっかかってサービス停止を求められるという一件がありました。これは、同社が単一遺伝性疾患の判定に踏み込んだためとみています。単一遺伝性疾患とは、ある特定の遺伝子を調べることで疾患の発症を100%判定できるもの。一部の乳がんについても、遺伝的要素が非常に強いことが分かっています。当社ではこうした領域には手を出しません。環境的要素が強く、生活習慣の改善によって予防ができるような疾患を解析対象とします。

――遺伝情報は基本的に一生を通じて変わりません。リピーターが得られない点が、遺伝子解析サービスの難しさではないでしょうか。

 確かに、読み出した遺伝情報そのものは変わりませんが「解釈」は更新できます。我々は遺伝子解析に関する新しい学術論文が発表されるたびに、それを解釈のためのデータベースに含めるかどうか議論します。先ほど30万カ所を調べると言いましたが、この中には現時点では十分に解釈できないものが多く含まれている。今後、遺伝情報に関する研究が進むことで、より多くの情報をサービス利用者に提供できるようになるわけです。

 加えて、他社との協業を通じてサービスの幅を広げていこうと考えています。遺伝情報は、ヘルスケア分野のさまざまなサービスにつなげられる可能性がある。化粧品やフィットネスはその一例でしょう。遺伝情報を基に、さまざまなサービスのソリューションを作れるとみています。

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解析結果の一例。将来、ある疾患にかかるリスクが平均よりもどの程度高いか、その解析結果の相対的な信頼度、アジア人を対象とする大規模解析研究の有無などを提示する。