特集

<第5回>京セラの“こだわり”(page 3)

自社生産を貫く真摯なものづくり

2014/03/10 00:00
金子 憲治=日経BPクリーンテック研究所
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30年前のパネルでも出力低下は10%未満

 2012年7月に始まった固定価格買取制度(FIT)を機に、佐倉ソーラーエネルギーセンターでも、敷地内の空き地に大規模な太陽光発電システムを設置することになった。2014年3月には出力450kWの発電システムが稼働する(図6)。「30年前の太陽光発電システムと今後の30年を担う最新のシステムを一カ所で見られるのは、世界でもここだけ」。本多主幹技師は、こう自負する。架台に整然と並んだ真新しい太陽光パネルに隣接した事務所棟の屋根には、約30年前に設置した43kWのパネルが今でも現役で発電し続けている。

図6●2014年3月に佐倉市の佐倉ソーラーエネルギーセンターに稼働する出力450kWの太陽光発電システム
(出所:日経BP)
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 同センターには、電力系統に連系している事務所棟の43kWのほか、約30年前に設置した京セラ製太陽光パネルが約60kW設置されている。稼働年数が長い太陽光パネルとしては、奈良県の壷阪寺に約30年前に設置されたシャープ製パネル(1.4kW)が話題になった。佐倉ソーラーエネルギーセンターも同時期のものになる。シャープは壺阪寺の太陽光パネルの出力低下の平均を6.4%と公表した。そうなると、佐倉ソーラーエネルギーセンターの太陽光パネルがどの程度の出力を維持しているか、気になるところだ。

 実は京セラは定期的に出力性能をチェックしており、設置25年目にもパネルの出力の低下率を評価した。京セラ・ソーラーエネルギー事業本部の池田一郎マーケティング事業部長は、「同センターの太陽光パネルの出力低下率については、対外的には、9.6%と公表している。ただし、この数値は25年間の実証データを基に、さらに様々な外的条件を加味して算定した。そもそも30年前と今のパネルとは部材やセル(発電素子)の大きさが異なり、実績の数字をもって、単純にその後の製品の耐久性を語れない。京セラは、30年前よりもさらに厳しい評価基準をもっており、30年間にわたって製品の長期信頼性を高める努力を続けている」と、池田事業部長は強調する。

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