「ISSCC 2015」のsession2「RF TX/RX Design Techniques」では、SDR無線受信機の実現を狙ったRFフィルタレス技術やパワーアンプの高効率化技術などが発表された。無線技術は引き続き発展を遂げており、それに伴い、無線規格や周波数帯の数が増加している。携帯電話機を例にとれば、規格は2G、3GからLTEへと、周波数帯は700MHz帯から2.6GHz帯を含む10以上の周波数帯が規定されている。

 受信機の入力には一般に、妨害信号を抑圧し受信機がひずむことを防ぐためにRFフィルタを接続する。マルチモード・マルチバンドに一系統で対応するSRD受信機を実現するためには、RFフィルタのチューナブル化が必要だが、依然として課題がある。一方、一般的なRFフィルタで構成すると、複数のフィルタとスイッチが必要となり、挿入損失や実装面積の増大といった問題が生じる。

 米UCLAらは、位相雑音や妨害信号だけでなくメインパスの熱雑音もキャンセルできる受信機を発表した(講演番号2.1)。これにより、RFフィルタなしで十分な妨害信号耐性を得るだけでなく、低位相雑音のLC共振型VCOでなく、より小面積のリング型VCOをローカル信号発生回路に適用できるようにした。

 中国Macau大学らは、妨害信号をキャンセルする受信機を一つのミキサーで構成するとともに、ミキサー利得ブースト回路を用いた。これにより、ミキサー前段のLNAを不要にして受信機の線形性を改善し、RFフィルタを除去可能としつつNF劣化を抑えた(講演番号2.4)。これらの技術により、SDR受信機の実用化はさらに一歩前進した。

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