医療機器の国際整合性を問う(page 2)

2015/08/11 00:00
久保田 博南=ケイ・アンド・ケイジャパン 代表取締役社長(医工連携推進機構 理事)

だが、輸入国の立場となれば事情が逆転

 こうした好ましい事例を見るにつけ、果たして薬機法が諸外国の目にどう映るのかを検証してみたい。つまり、日本がインドの立場に立って見た場合にどうなのか、という視点を意味する。

 残念ながら、日本が輸入国となった場合の事情は、全く逆の現象が起きている、というよりその現象が継続しているというのが偽らざる現実だ。実は、前回のコラムでも指摘し、現実を直視してほしいとの要望を記述したのだが、今もってこの課題は業界の大きな足かせとなっている。

 繰り返すことになるが、わが国ではFDAやCEマークを全くといっていいほど参照しない。具体例で整理するとこうなる。薬機法では、「類似品」かどうかという基準をもとに、事細かな審査が実行されている。それは、「形」や「組合せ」とか「原理」や「構造」といったすべての項目での同一性や既存性が求められるのだ。この中の一つでも、認証範囲外と判断されるか、新規性と思しき事項が見つかれば、頑として受け付けてもらえない、というのが現実だ。「認証範囲」と称するあいまいな表現が使われ、その範囲内かどうかの判断は客観性からはほど遠い。

 この点は、国産品であっても同様だし、ましては輸入品となれば、さらに細かく厳しいチェックが行われる。同じ規制・承認・認証機関でありながら海外諸国に日本の独自法規に関わる整合性を求める一方、逆の立場に立ったら、厳格すぎるほどの規制をかける。どう見ても、同一の機関や関係者が実施しているとは考えられないような矛盾をはらむ。

 せっかく、諸外国に対して整合性を求めて良好な成果を生みつつあるなら、翻って、諸外国の立場を理解する努力もしてほしい。それによって好ましい協調性が生まれ、また時には好ましい競争を生み出す原動力となりうる。こうした関係を生み出す努力が日本の医療機器産業にとっても望ましい帰結につながると思うからだ。

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