「Think globally, act locally」という言葉に代表されるように、グローバルとローカルは並べて議論されることが多い。しかし、それを実践する中小企業は決して多くはないのではないか――。今回の倶楽部セッテンのゲストは、日本の地方からグローバル展開を志し、東南アジアで目覚ましく活動している「あらき」の谷川竜二社長と、業務用家具の製造販売を手掛ける「三吉」の前田佳孝社長。経歴もビジネス手法も対照的な2人だが、カンボジアをベースにした東南アジアでのビジネスから、国内市場への逆展開を目指している。
左から、三反田氏、前田氏、谷川氏(写真:加藤 康)
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三反田 2020年に向けて、国内の中小企業もさまざまな形でグローバル化が求められているわけですが、今回は「サービス業」と「家具製造販売」という、近いようで遠い、遠いようで実は近い二つの業界の接点から、国内企業が海外展開していく形にはどんなものがあるのか、それを探ってみたいと思い、お二人をお招きしました。

 谷川さんはすごく複合的な展開をしているのに対し、逆に前田さんは狭い領域を深く掘り下げて展開しようとしている。まずは、そのお二人の現状をお話しいただけますか。

谷川 西日本を中心に地域密着型の店舗展開をしています。西は小倉から東は浜松、北は新潟の方まで、およそ30軒。漫画喫茶がベースなんですが、ビリヤードやダーツなどいろいろなものが入っている複合施設です。

 これをうちのメーン事業に据えて、このほかに、1000円カットの「クイックカットBB」を13軒、「大戸屋」を4軒、コーヒーの「タリーズ」を1軒、中古釣り具ショップの「爆釣屋」なんてのもやっていまして、本当に地域で必要とされる業態を取り入れて、サービス業のプロを目指していこうとがんばっています。

あらきは、さまざまな業種の店舗を運営している。左から同社が運営する「クイックカットBB」「大戸屋」「爆釣屋」(写真はいずれも、あらき提供)
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 海外、ということになるとカンボジアでのレストラン運営。その時々で必要なことに適宜取り組んでいこうとやっている中で出会ったパートナーで、カンボジアで古本の再生ビジネスをやっている人がいまして、そのご縁で始めたものです。

 国内向けでは、先ほどの漫画喫茶の延長線上のような形で「空間事業」の一つとして、バックパッカーが泊まれるような簡易宿泊所も今年から始めました。本拠地が広島で、僕も釣りが好きなので、そういうところにみんなで泊まり、船で釣りに出かけ、戻って調理して食べるというようなことができたらいいかなと。そんなことも考えて今やっています。