広視野角IPS液晶が高密度(ppi)あるいは高精細液晶パネルとして大きな注目を受けるようになったのは、2010年に発表されたスマートフォン(スマホ)やタブレット端末への採用だろう1, 2)。これらの商品は静電容量方式でマルチタッチ機能を持つタッチスクリーン(タッチパネル)を搭載しており、そのタッチスクリーンとIPS液晶の相性の良さが採用のポイントであったとの報道もある3)

 この商品の発売以降、スマートフォン、タブレット端末へのIPS液晶パネルの採用比率は高くなり、さらにノートパソコン(ノートPC)への採用も増えている。高密度・高精細IPS液晶パネルの採用拡大の動きは中小型モバイル機器用途だけでなく、4K解像度のような大型の液晶モニター用途へも広がっている。さらに将来は、8K解像度の大型高精細モニター用途などへの採用も進むと考えている4)

 普及拡大の技術要因は、以下の3つと考える。第1は、手に取ることのできるモバイル機器では画面に対して全方位から見る機会が多くなるが、そうした時にもIPS液晶パネルの視野角特性が良い点である。第2は、タッチスリーン操作での波紋の発生が少ない点である。さらに第3は、画素構造へシールド機能を導入することで、液晶パネルの低消費電力化を実現した点である。本配信では、第3のシールド構造の画素技術を中心に解説する。

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