今井 このほか、短いニュース系の記事だと割と読者の受けがよかったのは、コマツが建設現場でドローンや、建設機械の自動操縦で積極的に活用しているという話(「コマツが建築現場に革新技術、ドローンや自動操縦を駆使」)でした。

 ドローンで撮影した画像から建設現場の3Dモデルをつくって、それに基づく最適な施工計画を立案したり、建機を半自動で動かして整地したりしています。取材した記者によると、素人が操作してもきれいに整地できますという感じらしいですよ。

川口 建設現場の工場化というイメージですね。工場のようにすべて把握した秩序系に落とし込もうとしているんでしょう。

今井 そうですね。そういうイメージだと思います。

川口 流れとしては、オープンなスペースをできるだけ秩序系にしていくという取り組みは、すごく正しいと思いますね。

今井 ロボットなのか自動建機なのか分かりませんが、最終的には自動で工事してしまいましょうという流れの第一歩なのかもしれません。

川口 そうか。山を切り開いてさら地にして、杭を打ってという作業をすべて自動化するわけだ。植物工場のようにしようという感じだよね。「建設工場」ですか。建設現場そのものを工場にするために、GPSだけでは情報が足りないから、ドローンを飛ばしたりするわけですよね。農場と違って、現場が毎回違うから、全部把握したいというニーズがあるんだな。

(写真:加藤 康)
[画像のクリックで拡大表示]

山本 農場と言えば、NTTドコモの農家向けセンサーネットワークの記事((「農家向けセンサーネット事業を稲作へ、NTTドコモ」)もありますね。これは、うーん…。

川口 単位面積当たりの不動産からどれだけの付加価値が生まれるかという意味においては、最も価値が高いのはオフィスなんですよね。つまり第3次産業。その次に価値が高いのは「工場」で第2次産業。農場は、第1次産業で最も付加価値が低い。

 だから、日本のような狭い国土の国の第1次産業は、付加価値を高めるために、例えば「1粒1万円のイチゴをつくろう」という方向に進むべきだと思うんです。そのためには、農場を工場化した方がよさそうな気がします。「なぜ、日本の小規模農業の露地栽培でセンサーネットワークなのか」ということは、ぜひ聞いてみたいですね。

今井 やはり、効率を高めようということかと。

川口 最近は、人工衛星を使うだけでも、農地や作物の様子については結構なことが分かる気がするんです。すごく遠くから分かる情報をトップダウンで見るということですね。このほかにも、植物工場のように完全に掌握した秩序立った環境で化学プラントのように栽培する方向性もあり得ますよね。

 全体のアーキテクチャーとして、何を組み合わせるのが最適なのか。センサーネットワークなのか、工場化なのか、衛星の解像度を高めるのがいいのか。高付加価値な農作物を生み出していくという観点では、工場化のような方向性なのではないかと思うんです。人工衛星の代わりにドローンでも、同じようなことができるかもしれない。