川口 要は、太陽光発電と蓄電池、水素の製造装置、水素貯蔵タンクを備えたコンテナ型の自立型エネルギー供給システムですね。それを使うと、300人に約1週間分の電気とお湯を供給できるんだって。災害などの「いざ」という時のために使うシステムです。ただ、レアな状況に備えて用意するには、冗長な印象もあるけれど。

山本 香ばしいですね…。

(写真:加藤 康)
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川口 いろいろな企業が、エネルギーネタに乗っかっている。昔から「原発か化石燃料か」という話はずっとあって、私は「天然ガス派」なんですけどね。

 でも、日本で天然ガスは、ほとんど表に出てこない。旧通商産業省の時代からガスは統計データなどでも無視されがちで。石油や石炭との比較はあるけれど、天然ガスについてはあまり出てこないんです。ほかの国では、必ず天然ガスとの比較が議論に出てくるけれども。

 でも、東日本大震災のときには、「天然ガスでいいじゃん」という感じがあったと思うんです。本来的な実用解としては、天然ガスはかなり優れています。産出地が特定の場所に固まっていないから、ナショナルセキュリティー上も問題が少ない。ほかの化石燃料よりも地球環境にはやさしい。

 ただ、中途半端でキラーテクノロジーとしての御旗が立ちにくいのかもしれないね。環境に優しくても、やはり化石燃料だし。SOFC(固体酸化物型燃料電池)とガスタービン、蒸気タービンを組み合わせたトリプルコンバインドサイクルのような高い発電効率のシステムもあって、その技術は結構、日本が強いんですよ。

 不思議なことに、それよりも「原発か、太陽光か」という議論が前面に出ています。天然ガスは、技術的にあまり面白くないからなんだね。

今井 確かに、エレクトロニクス関連の技術情報誌としては取り上げにくいかもしれません…。

山本 技術視点だと「今さら、天然ガスと言われても」というところはありますもんね(笑)。王道だし、天然ガスでやりましょうといわれると他の自然エネルギーがコスト的に完全に霞んでしまう。

川口 先日驚いたニュースは、ロンドンで石油が出るという話題。強烈だよね。

今井 ありましたね!

山本 ロンドン郊外で大規模な油田と天然ガス田が見つかって。超巨大なやつです

川口 北海油田の2倍。これで英国は当分安泰でしょう。

山本 あんなところにあるんですね。