川口 自動車メーカーとしては、そういう道具や、世界はつくりませんと。もう少し矮小に言えば、インフラはつくらないし、社会システムもつくりませんということでしょう?

 「我々は、与えられた条件で最高のパフォーマンスのいいモノをつくります」という話は、家電メーカーと同じですよね。そこは、ある意味でそれで敗戦を経験したわけです。自動車業界は周回遅れな分だけ、たちが悪いかもしれませんね。「新しいことには投資せず、過去の延長線上で進んでよかった」と考える前世代の人たちが傷を負っていないから。

 例えば、今、自動運転の世界でグーグル台風がきていますと。頭を下げて耐えていたら、そのうち台風は去るかもしれない。その後に出てくるであろう「ほら、新しいことをやらなくてよかったじゃん」という意見には抗えないよね。だって、今まで負けたことがないから。自動車メーカーの社内力学としては、「ディーラーが売ってくれるから大丈夫だ」という感じの人が今も元気なので。

山本 それで実際に売れてるから、また困る(笑)

今井 あ、もうこんな時間ですね。すっかり長い時間をいただいてしまって。

山本 二転三転しましたけれども。

今井 いや、大きな話からミクロの話まで、多くの材料をいただきました。ありがとうございました。

一同 ありがとうございます。

(写真:加藤 康)
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(2人の対談は装いを変えて、戻ってまいります…)