経営の立て直しを図っているシャープが2015年2月3日、同年3月期の連結決算で300億円の最終赤字になると発表した。300億円の黒字としていた従来予測から一転しての赤字見通しの理由に同社は、液晶テレビでは北米と中国における価格競争激化、液晶パネルでは中国スマートフォン(スマホ)市場における競争激化による価格下落などを挙げた。

 このうち中国スマホ市場については、急台頭した中国Xiaomi社(小米科技)向けのパネル供給の伸び悩みと提供価格の下落が取りざたされている。

 シャープはXiaomi社のスマホ向けパネル供給で競合に先行していたとされる。ただ2014年下半期になって、ジャパンディスプレイや中国BOE社(京東方)などの追い上げに遭いシェアを減らした様子が、調査会社の報告や台湾メディアの報道からうかがえる。

 一例を紹介しよう。ディスプレー専門の調査会社である中国CINNO Research社は2014年9月27日に公開したレポートで、同年4~6月期時点でXiaomi社にスマホ用液晶パネルを供給しているのは量の多い順にシャープ、台湾AU Optronics社(友達)、韓国LG Display社の3社だと紹介。供給比率はAU Optronicsが38%、LG Display社が13%、残りがシャープだとしていた。

 ただレポートは、2014年4~6月期の時点でジャパンディスプレイが既に、Xiaomi社の新モデル用の供給を準備していると指摘している。さらに、BOE社が同年9月25日に実施した投資家とのオンライン上でのやり取りで、「BOE社はいつXiaomi社との協力を始めるのか?」との質問に対し、「当社は韓国Samsung Electronics社、米Hewlett-Packard社、米Dell社、中国Lenovo社(聯想)、中国Huawei社(華為)、Xiaomi社ら多くの顧客を抱えている」と回答し、既にBOEがXiaomi社から受注に成功したことを示唆したと紹介。その上でレポートは、ジャパンディスプレイやBOE社がサプライヤーに加わったことで、シャープの供給比率が下がる可能性が高いとの見方を示していた。シャープがこのほど発表した最終赤字300億円の見通しは、Xiomi向け供給が調査会社らの予想通り減少したことが一因だったことを裏付けるものだと言えよう。

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