もっと生々しい装置もありました。「ヘルメットの安全性体感装置」は、大型装置の上部、高さ3.5mの場所でラチェットレンチを使う作業員がいる一方で、装置の下部でも他の作業員が作業をしている、という想定(図2)。装置の下部にもぐって作業をする際、場所が狭いこともあってヘルメットを邪魔に感じることが多いのだそうです。それでヘルメットを着用していないときに、上の作業員が手を滑らせて工具を落としたらどうなるか。

図2●ヘルメットの安全性体感装置
「3.5M」と書かれたパイプの中に工具を落とす。パイプの直下にマネキンの頭部を置く。
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 ラチェットレンチの重さは454gで、柄の先端が先細になっているもの。この先細の部分が下の作業員の頭部を直撃したらどうなるかという実験をする装置です。長さ3.5mの鉛直な筒にラチェットレンチを入れて落下させ、筒の下にマネキン人形の頭部を置く。結果は、ラチェットレンチが頭に刺さってしまいます。しかし、マネキンにヘルメットをかぶせていると、ヘルメットにダメージはあっても頭部にはかすり傷も付きません。マネキン頭部の固さは、ちょうど人間の頭のような感じでした。髪の毛も、人間の毛を使っているそうです。

 このマネキンの頭部は、赤い水が入る、という仕掛けもあります。ラチェットレンチが刺さると、当然この水が飛び散ります。水にはごく薄い色しか付けてありませんが、「こんなことが決してあってはならない」というか、正確に言うと「本物の情景は絶対に見たくない」と強く思わせるのに十分な迫力がありました。