非冷却遠赤外線イメージング(カメラ)市場は、室温で動作する非冷却遠赤外線アレイセンサーが登場したことを受け、民生市場での拡大が期待されてきた。目下、車載や新規市場向けを起爆剤に本格的な拡大フェーズに入りつつある。

 2014年における非冷却遠赤外線イメージング市場の規模は、出荷数量ベースで前年比26.4%増の36.8万台、金額ベースで同5.3%増の24.4億米ドルとなった。これが2018年にはそれぞれ240.7万台、36.3億米ドル、2022年には555.5万台、45.2億米ドルへ伸びると我々は見る(図1)。

図1●非冷却遠赤外線イメージング全体の世界市場規模
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 この市場拡大を牽引すると考える要素を図2に俯瞰図で示した。従来は、防災やセキュリティー、保守、保全などの既存市場(established market)が民間分野の主な用途であり、年間20万~30万台規模にとどまっていた。だが、欧州の自動車向けにナイトビジョン用サーマル・カメラ・システムのオプション搭載が始まったことを契機に、民生向けに活用しようという気運は一層高まっている。以上が、2014年時点で現実的なビジネスになり得ている領域である。

図2●非冷却遠赤外線イメージング全体市場の俯瞰図
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 加えて2014年初頭からは、スマートフォン向けの外付け品や、スマートビルディングなどにおけるエネルギーマネジメントシステム(EMS)への応用が存在感を一気に高めた。こうした新用途創出の動きは、非冷却遠赤外線イメージング市場を民生分野のボリュームゾーンへ拡大させる起爆剤となるだろう。

 なお、我々は非冷却遠赤外線イメージングの波長領域を8~14μmと定義し、熱検知画像を表示する「サーマルカメラ」と、同じく熱検知だが温度差を擬似カラー表示する「サーモグラフィーカメラ」の2つに大別している。それぞれの用途は表1のように区分している。

表1a●非冷却遠赤外線カメラ用途別区分(既存市場)
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表1b●非冷却遠赤外線カメラ用途別区分(新規市場)
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