当初は2014年11月30日に予定されていた小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げ。その延期の原因になったのが、氷結層だ。同月28日開催の、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業の記者会見において、その延期が伝えられた(図1)。

図1●2014年11月30日に予定されていた小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げ延期を発表するJAXAと三菱重工
同月28日に開催された記者会見の様子。左から三菱重工業防衛・宇宙ドメイン宇宙事業部MILSET長の平嶋秀俊氏、はやぶさ2プロジェクトマネージャを務めるJAXA宇宙科学研究所教授の國中均氏、JAXA射場技術開発室長の長田弘幸氏。
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* はやぶさ2は、同年12月3日に無事打ち上げに成功し、現在は、小惑星「1999 JU3」に向け宇宙航海を続けている。

 氷結層とは、雲に含まれる「摂氏0度から摂氏マイナス20度の層」のことだ(図2)。この層の中には、比較的大きめの氷の粒(あられ)と、空気中の水蒸気が結晶となった微細な氷の粒(氷晶)が存在する。そして、これらのあられや氷晶が対流によってぶつかり合い、その際の摩擦によって帯電する。その結果、ロケット打ち上げ時の大敵とされる雷が発生しやすくなるのだ。

図2●11月28日のJAXAと三菱重工による記者会見で配布された氷結層に関する資料
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