モバイルデバイスの医療応用への利用価値(page 2)

2015/01/07 00:00
久保田 博南=ケイ・アンド・ケイジャパン 代表取締役社長(医工連携推進機構 理事)

モバイルデバイスの医療応用に関する調査

 この分類の中では、「B. 医療機器ではあるものの十分に低リスクであるため規制対象外とするもの」が6品目リストアップされている。定義として、「医療機器に分類される可能性はあるものの、利用にあたってのリスクが十分低いために規制対象外となっているケース」となっている。それには「喘息発作と吸入治療記録」「薬剤投与量計算」「点滴速度調整」といった純医療目的のアプリが含まれている。

 これら3例が示すのは、明らかに医療機器や薬剤に関するアプリであり、病院における医療としての応用例でもある。したがって、疑いもなく法律用語としての医療機器に該当するといっていいだろう。

 FDAでの判断なのか、メーカーの自己判断なのか不明だが、限りなく“医療機器”に近いといわざるを得ない。こうした実例が堂々と発表されていることからすれば、メーカー責任としての色合いが強いが、我が国での議論に関しても一石を投じてくれたと感じている。

厳格派の意見ばかり尊重するならば…

 これに類する実施例、つまり本体が医療機器でアプリがスマホなどの汎用機器上のソフトというケースは、今後も確実に増えるだろう。本体側が医療機器であってもソフトウエア側は非医療機器扱い、という二重構造にどう対応していくのか。

 こうしたケースにおいて、逐一、医療機器として申請手続きなどを忠実に実行するべきという厳格意見も出てきそうだ。しかしながら、米国での成り行きを見るにつけ、本心を暴露するなら、じつはホッとしているのは筆者だけではあるまい。というのは、もしも厳格派の意見ばかり尊重するなら、新しい機器開発という側面に大きな打撃を与えてしまう危険性があるからだ。

 これらの実例によって学ぶことも多い。本来なら、この分野でもまた米国に先を越されたというジレンマは残る。しかし、そうなった以上、素直に割り切って、よいところを学び取ればいいのではないのか。二番手だからこそメリットが出てくる、と考えたらどうなのか。

 決してすべてを真似すればよい、というわけではない。しかしながら、このリサーチペーパーが示唆するように、こうした有益な最新事情を積極的に受け入れ、それを土台にして近未来の医療機器・健康機器とモバイル機器とのかかわりを追求していけば、我が国の医療機器産業界にとってもプラスになることが多いと感じている。

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