米Autodesk社は、3Dプリンター関連の市場が2013年に25億米ドルだったものが2018年には162億米ドルに急激に広がると見ている。ただし、同社は2014年12月に米国で開催したイベント「Autodesk University 2014」などで「現実には、これまで販売された3Dプリンターはまだ20万台で本格的な普及はこれから。その割には、既存ユーザーの間では25~75%の造形失敗率を伴う」と説明している(図1)。この失敗率の数字は幅が大きく、具体的にどのような失敗を指すのかまでは必ずしも明確ではないが、いずれにせよ3Dプリンターでの造形が簡単ではない現状を訴えた。

図1●米Autodesk社が「Autodesk University 2014」で示した説明画面
「3Dプリンターでの造形には失敗が多い」としている。
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 そのような前提で同社は、3Dプリンターの利用拡大を図るには、[1]3Dデータを用意し、[2]そのデータを造形可能な状態になるよう処理・編集し、[3][3]3Dプリンターを動かし、しかも[4]効率性を確保する、といった仕組みが必要であると主張(図2)。従来でも、3Dプリンターを使う際には何らかの形でこれらの処理を実行していたわけだが、3Dプリンターの造形方法(光造形方式、溶融樹脂積層方式など)や機種、元のデータの形式などによって個別の処理になっていた。同社は、機種やデータの違いによらずに、統一的に3Dプリンター利用のためのデータ処理ができるソフトウエアを「3Dプリンティング・プラットフォーム」と呼んで実際に開発に着手し、「Spark」と名付けた。

図2●図1と同じく、「Autodesk University 2014」で示した説明画面
3Dプリンターでの造形に必要な3Dデータの処理を示したもの。
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 同社はSparkについて「3Dプリンティングにおけるオペレーティング・システム(OS)のようなもの」とも言っている。携帯電話機において、OS「Android」(米Google社)がハードウエアのメーカーや機種を超えて採用され、携帯電話機の普及に一役買ったことになぞらえた説明である。Sparkが3Dプリンターのハード・メーカーや材料メーカーに広く採用されれば、3Dプリンターの普及も加速できる、という意味だ。ただし、Androidが携帯電話機などのハードで稼働するソフトであるのに対して、Sparkは必ずしも3Dプリンターのハードでの稼働に限ったソフトではなく、むしろPCやサーバーで稼働させることを想定している。

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