本連載ではこれまで、文書(ドキュメント)制作のための標準規格DITAがものづくり現場にどのように革新をもたらすかを解説してきた。読者も、DITAが目指す文書作成プロセスについて知識を深めることができたと思う。しかし日本の製造業における普及はまだこれからである。

 今回はDITA導入のメリットが見込まれる事例と、その際のポイントを取り上げてみたい。DITAの仕組みや特徴から一旦離れ、ものづくりに関するドキュメント制作現場で多く見られる状況に目を向けてみよう。

とある製造現場のマニュアルの悩み

「マニュアルが分かりにくいので、何とかしたいんですよ」

 製造業のマニュアル担当者から、このような話を持ち掛けられることがよくある。何が分かりにくいのかヒアリングするうちに、

 ・必要な情報がすぐに見つからない
 ・書いてあることがそもそも分からない
 ・見た目が分かりにくい

など、具体的な問題が次々と浮き彫りになってくる。

 「なるほど。問題点ははっきりしてきました。そもそもこうなった原因は何でしょうか」。

 担当者と話を重ねるうちに、マニュアルのイロハの教育がないまま、見よう見まねで担当者が執筆していたり、標準化のルールを作らずマニュアル制作を進めてしまったりなど、根本的な原因にたどり着く。このようなケースの場合、解決策は何だろうか。ドキュメント作成フローをシステム化することで、問題が解決するかと問われれば、答えはノーである。

* 筆者らが属するDITAコンソーシアムジャパンは、DITAに関するユーザー事例や技術情報を紹介するセミナー「DITA Festa2014」を2014年11月4日(火)・5日(水)に富士ゼロックス本社(東京・六本木の東京ミッドタウン)で開催する(参加費無料、事前登録必要、定員200人)。詳しくはDITAコンソーシアムジャパンのWebサイトを参照。

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