コンピューターのストレージは、従来のHDDから高速・低電力なNANDフラッシュメモリーに置き換わりつつある。最近ではビッグデータのリアルタイム解析などの需要が高まっていることから、NANDフラッシュメモリーよりもさらに高速な新型メモリーを開発する動きが活発化している。こうしたメモリーは、「ストレージ・クラス・メモリー(SCM)」と呼ばれる。SCMは主にデータセンターのサーバー機やストレージ装置などで求められているが、スマートフォンやタブレット端末の高速・低電力化にも有効な技術である。

DRAMとNANDフラッシュメモリーの性能差をストレージ・クラス・メモリーで埋める(Micron Technology社とソニーの資料)
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 現在のコンピューターに使われているメモリーを高速な順に並べると、(1)CPUのレジスターやキャッシュメモリーに使われるSRAM、(2)メインメモリーとして用いられるDRAM、(3)ストレージに利用されるNANDフラッシュメモリーやHDDとなる。ここで、(2)のDRAMと(3)のNANDフラッシュメモリーのアクセス時間には3~5桁もの差があり、データ処理のボトルネックになっている。そこで(2)と(3)の間に、性能差を埋める新型メモリーを導入しようというのが、SCMの考え方である。

 SCMはメモリーとストレージの両方の特徴を併せ持つ技術として、米IBM社が最初に提唱した。同社の定義によると、SCMは(a)機械的な駆動部を持たない固体素子であり、(b)DRAM並みにアクセス速度が速く、(c)HDD並みに容量単価が安く、(d)不揮発性である。ただし、これは理想像であり、実際にはそのようなメモリーを実現することは難しい。このため、現実的には「NANDフラッシュメモリーよりも高速に動作し、容量単価がDRAMと同等以下の不揮発性メモリー」がSCMといえる。

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