食料調達のネックは配送にも

 さらに高齢化が進めば、ネットスーパーや食材・弁当の宅配など、自宅まで食品を届けるサービスも増えていくだろう。両親が住むマンションも高齢化が進み、弁当の宅配サービスを利用している家庭が多いという。確かに雪に閉ざされた一日、外に出てくる住民の姿はほとんどなかった。心配になったのは、その宅配サービスも届いている気配がなかったことだ。

 帰省した次の週末、私は自宅で家電量販店からの洗濯機の配送を待っていた。前日に配送確認の電話があったにもかかわらず、当日になって雪のため車が出せないと連絡があり、配送は延期になってしまった。洗濯機は1週間遅れても何とかなるが、食べるものが届かなければ死活問題だ。今回も雪で物流が滞り、スーパーマーケットやコンビニの店頭で、食料品などの商品が品薄になってしまった。ヤマト運輸や佐川急便など普段は優秀な宅配サービスですら、地域によっては配送が大幅に遅延した。

 実は雪という特殊事情がなくても、配送分野の将来には不安がつきまとう。若年人口が減少する中でトラックなどの運転手は人手不足に陥っている。2013年12月の有効求人倍率(実数)を見ると、公共工事や消費税増税前の建築ラッシュが続く建築関係や、少子高齢化で需要が膨らむ介護サービスなどに続き、「自動車運転の職業」は1.90倍と極めて高い。

 全体では求人と求職のバランスはとれているが、分野によっては需給が合わなくなっている。求職側と求人側の求める職種が噛み合ない雇用のミスマッチが起きているわけだ。

 コンビニやミニスーパーが買い物弱者対策の中核となったとしても、そこに商品がなければどうしようもない。今まで組織小売業は収益性を重視し、多頻度配送で店頭在庫を減らす傾向にあった。今回は雪に閉ざされた山梨県に向けて、ヘリコプターなどによる配送が行われたという。今後ライフラインとしての重要性がさらに高まっていけば、こうした緊急対応も含め、社会的責任にも配慮することが求められるだろう。

 消費者側も最低限の食料品を家にストックするなどの準備が必要になりそうだ。特定店舗など一つのリソースだけに頼った生活は、災害時などにとても脆弱だからだ。