前回はIEEE802.11a/g以降で使われている直交周波数分割多重変調方式OFDMについて解説しましたが、今回はOFDMと対極をなす(概念でありながらよく混同されている)「周波数拡散方式」について簡単に解説します。

周波数拡散のメリット

 以前にも何度か述べてきましたが、周波数拡散というのは「通信中に搬送周波数が(かなり広い範囲で、しかも頻繁に)変化する」通信方式です。TVに例えるなら、ある番組が最初の5分は2チャンネルで放映されていたのに、5分たつと突然8チャンネルに切り替わり、さらにその5分後には4チャンネルに切り替わるような状態です。実際の周波数拡散通信では、これが数ミリ秒~数マイクロ秒という短い時間で切り替わります。

 そんなにパカパカせわしなくチャンネルを変えることに一体どんなメリットがあるかというと、
(1)周波数選択性の妨害に対して強くなる
(2)乱反射条件下のシンボル間干渉に対して強くなる
(3)盗聴が難しくなる
というメリットがあります。

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