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ユーザー体験を引き出すことの重要性

 こういう事例は自動車や家電などではそこここで散見されますし、日本メーカー同士の間でも同様のことが起こります。

 私はあるカメラメーカーのディジタルカメラを使っていたのですが、そこに供給しているであろう日本メーカーによるオリジナル・ブランドのデジタル・カメラも試用する機会がありました。しかしカメラ・メーカーの使い心地が圧倒的によいのです。何がどう違ってこういう結果になるのでしょうか?

 ユーザーが素晴らしいと感じる体験を引き出すものづくり、そしてブランドづくりもこれからの日本企業に求められる要素だと強く感じました。「ものづくり」から「ことづくり」への進化が求められているのだと思った次第です。

 他にも大企業中心の縦割り体制批判や、いくら優秀な人材でも安全安心な環境に馴染んでしまうと人は学ばなくなってしまうなどの組織論や人材の成長に関するご意見まで出てきました。

 また少数の方からは、日本には現状を変えてイノベーションを起こすのはもう無理なのだというご意見や、ある年代以上でないとそういった現状を打破していく力量のある人間はいないなどというご意見も頂きました。

 これらのご意見は、一見ネガティヴな考え方に見えるのですが、私には現状を変えようと長年努力してこられたこれまでの前向きな姿勢が垣間見られ、実はかえって新鮮に感じました。

 理想には届かなかったかもしれませんが、これらの方々も実際には世の中を少し変えてこられたのだと思いますし、私はこれからの時代は大手とベンチャーがオープン・イノベーションで繋がっていく新しい時代だと考えていますので、その推進に向けて少しずつ人びとの繋がりの輪を広げていく重要性についてお話させて頂きました。