三菱自動車で電気自動車(EV)「i-MiEV」のプロジェクト マネージャーを務めた和田憲一郎氏が、注目の電動車を取り上げて分析し、現在と未来を語る連載「一車両断!」。第4回は、米Tesla Motors社が開発した高級EVセダン「Model S」に注目する。同車は現在、販売台数として年間2万台に達しそうな勢いで売れている。その要因を探る。

 2012年6月の発売以来、Model Sの販売が好調だ。米国における2013年第1四半期(1~3月)の販売台数は4900台、第2四半期(4~6月)は5150台。2013年の上半期だけで1万500台に達した。このペースで売れれば年間販売台数は2万台に上るだろう。直近では欧州市場にも投入し、日本でも予約を受け付け始めた。Tesla社の快進撃が始まっている。

 米国で販売されるプレミアムカーと言えば、ドイツDaimler社のMercedes-Benzブランド「S」クラスやBMW社の「7」シリーズ、Audi社の「A8」シリーズなどがある。各車の販売台数は月500~1000台程度であるのに比べて、Model Sの好調さは際立つ。

 その要因として筆者は、EVの欠点を補いつつその利点を大きく高めた商品性と、既存の大手自動車メーカーが開発する車両に劣らぬ安全性を実現したことにあると考える。例えば外観は米国で一般的な大型サイズ(全長4978×全幅2189×全高1435mm)で、EVに多い小型サイズにしなかった。デザインの見方は人によって分かれるが、個人的には優雅さを主張する形にして高級感を上手に演出している。また車内に極めて大きな17型の液晶ディスプレイをセンターコンソール付近に配置する大胆さも“うまい”。ユーザーが先進性を感じることができる。

Model Sの外観。高級感をうまく演出。
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Model Sの内装。17型ディスプレイの迫力はすごい。
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