ここまでのシリーズで、主に「通信距離の延伸」という観点から電磁波の伝達公式とアンテナの基礎について解説してきました。今回は「距離」や「パワー」「感度」以外の伝達阻害要因について少し触れてみたいと思います。今回のお題は「マルチパスとデッドスポット」です。

マルチパスとは

 マルチパス(Multipath)というのは、電磁波が複数の経路を通って多重に伝達される現象です。「複数の経路」というのは直接波と反射波であり、反射波はさらに「天井からの反射波」「床からの反射波」「壁からの反射波」のように複数の経路を取り得ます。受信側では、これらの反射波を合成した信号として受信されます。

マルチパスとは

 マルチパスが問題となるのは、経路ごとに伝達路の長さが異なるため、受信点における信号が少しずつ時間差をもって合成された波形になってしまうことです。既に過去の言葉となってしまったアナログTV放送で「ゴースト」が出たことを覚えておられるでしょうか。これはTV受像機への電波がマルチパスとなって時間差で届いたため、時間差をもった複数の映像が重なって表示される現象です。

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