グローバルでの部品共通化や在庫の最適化を図るために、部品番号体系をグローバルで再構築する場合も、部門横断(全社横断)的なテーマとなるだろう。部品番号体系を変更する場合には、全社で整合を図らなければならない。設計部門が発行する部品表に記載される部品番号が変わるので、それを受け取る部門がそれに合わせた影響分析や対策、新品番を用いた運用への変更を実施する必要があるということだ。これらの改革テーマに対して、事務局が部門間の調整を図って何度も議論を繰り返し、整合しなければならないので、時間がかかるのである。

 では、成功企業はどのようにして意思決定を加速しているのだろうか。その答えはシンプルである。企画段階で、その改革スコープに対応した体制を確立しているのである。

 上記の2つの例では、少なくとも設計部門、製造部門、調達部門の部門長クラスが参画して業務変更を準備している。変革の影響が全社またはグループ会社に及ぶ場合は、部門間だけでなく会社間のコンフリクトも発生する。そこでそれらの調整・解決を図るため、全体最適の方向性を決定できるような上位層(役員クラス)の参画も必要となるのだ。

 日本の製造業が、ボトムアップ型の改善が得意であることは言うまでもない。その習慣との因果関係があるかどうかは定かではないが、意思決定のための体制が不十分なままに改革を遂行し、変革移行に手間取っているケースが多いと感じる。逆に、ものづくり改革成功企業は、企画段階から各部門のキーマンを参画させ、迅速な意思決定を可能にする実行体制を構築している。これが成功企業に共通する、4番目の法則だ。