Telepathy Oneの試作機
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 2013年5月6日、日本のベンチャー企業であるテレパシーは、米Google社の本社がある米マウンテン・ビュー市で現地の技術業界関係者が集まるイベントを開催した。テレパシーは、「Telepathy One」と呼ぶGoogle Glassと同じようなHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の開発を手がけている。今回のイベントは「Telepathy Ideathon」と呼ばれ、シリコンバレーの人たちからTelepathyに関して今後検討すべきのユース・ケースや機能のアイデアを募集した。このイベントは、同社が米国市場へ進出するためのもので、その前には米サンフランシスコ市にオフィスを開く予定(発表資料)を発表していた。

「Telepathy One」を紹介するテレパシーの井口氏
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 現時点ではTelepathy Oneは試作機の状態で、Linuxで動作する耳に指す2個のスピーカとマイクロプロジェクタ、カメラ、無線LAN、Bluetoothなどの装備を頭にかぶる1個の筐体に収めている。LEDやプリズムで構成している小型マイクロプロジェクタがTelepathy Oneの特徴の一つであるという。イベントの紹介で、テレパシー代表取締役CEOの井口 尊仁氏は「Telepathy Oneにあるべきことを、皆さんに考えて欲しい」と約30人が集まった参加者に頼んでいた。

医療からコンサートまで

 参加者は6つのグループに分かれ、メンバーが交代しながら、Telepathy Oneのユース・ケースやユース・ケースを支えるための機能を議論した。例えば、一つのグループはTelepathy Oneに体温計などの医療系のセンサーを加えて、患者や患者の関係者、遠隔の医者が、患者のリアルタイムの医療データを見ながら病気に関する相談ができるようにするアイデアを出していた。ほかには、外国に旅中の人にテキストや音声で現地言語を翻訳したり、登山しながら自動的に写真を撮ったり、画像認識によって落石を知らせたりという案があった。コンサートに行ったとき、最もよく見える場所などの情報を交換するために、HMDを利用するアイデアも登場した。その結果、センサーなどを付加できるようにMicro USBポートの追加、ジェスチャー認識機能、装置の小型化が要求仕様として盛り込まれた。

Telepathy Oneを試す様子
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 こうした議論の後、イベントの参加者はTelepathy Oneを試す機会が与えられた。執筆者も試してみた。そこでは、テレパシーの社員が専用アプリを動かしたAndroidスマホをを操作することで、執筆者のTelepathy Oneに映像を転送するデモだった。目に見える画面は思ったよりも小さく、目から3~4cm離れた親指の爪の大きさぐらいだ。試作機であり、あまり時間がなかったので、位置設定の調整などに影響があったかもしれないが、これくらいの大きさだと伝えられる情報に限界があると感じた。しかし、HMD自体が軽くて、装着しても違和感や不自由さは感じなかった。今後、テレパシーがシリコンバレーでどんな進化を見せるか注目したい。