チームで議論を継続する

 不確定性の高い現在の経営環境下で、10年先の内容を議論すれば、まさに議論百出で結論がまとまらないことは容易に想像できる。そうであれば、よくわからない先のことを考えても意味がないということで、ロードマップの作成作業自体が放棄されてしまいがちだ。そのような企業がかなり多いということを多くの経験から知った。

 けれども、これが誤りであることが、これまでの議論からご理解いただけると思う。さらに言えば、ただ作るだけではダメなのだ。経営環境の変化を反映させながら、これをローリングし改定していかなければならない。できれば、毎年改定することが望ましいように思う。

 最後に、ロードマップのつくり方について触れておきたい。その策定過程において議論が重要であることを指摘してきたが、だからこそ、特定の部門の人間で作成しても意味がないのである。個人に任せてしまうなど論外だ。市場に対する理解力のある人、商品戦略および技術戦略について語れる立場の人など、様々な立場の人が議論して作るべきだろう。営業部門や生産部門、研究開発部門など関連する多くの部門の人が集まり、できればさらに社外のスタッフを加えたプロジェクトチームを組んで取組むことが、一つの理想形といえるのではないか。

著者紹介
古田健二(フュージョンアンドイノベーション 代表取締役
総合電機メーカーの開発技術者を経て、経営コンサルタントへ。一貫して「経営と技術の融合」を活動テーマとする。個別企業のコンサルティング活動に加え、技術経営研究センター、社会経済生産性本部、関西生産性本部、企業研究会などにおいてテクノロジーマネジメントおよび新規事業マネジメントの講師・コーディネーターを担当。著書に『テクノロジーマネジメントの考え方・すすめ方』『新規事業パワーアップノート』、近刊に『第5世代のテクノロジーマネジメント』がある。技術経営に焦点を当てた日本における唯一の定期刊行物である「月刊テクノロジーマネジメント」も発行している。
連絡先:info@fandi.co.jp

本稿は、筆者の属するフュージョンアンドイノベーションが発行している『テクノロジーマネジメント』という定期刊行誌における連載に基づいたもので、技術経営メールにも掲載しています。技術経営メールは、イノベーションのための技術経営戦略誌『日経ビズテック』プロジェクトの一環で配信されています。