日常で「技術者」を感じる

 仕事中に技術者であることを意識するという回答は確かに多かったのですが,日常生活で「自分のことを技術者と感じる」という回答も少なくありませんでした。

 日常生活について目についたのは,仕事とは関係ない身の回りの機器や製品についても,その仕組みや構造に興味を引かれるという回答でした。例えば,「身近にある電化製品の動きや仕組みを考えてしまうとき」「電子製品の内部が気になってしまうとき」「商品の中身が気になってすぐバラしたくなるとき」「新製品が出てきたとき,値段でなく動作原理や構造などに興味がわくとき」というような回答です。構造や動作原理をつい知りたくなってしまう,そして何でも分解したくなってしまう技術者は多いようです。

 技術者の興味は,構造や動作原理だけでなく,素材や製造方法にまでおよびます。例えば,「日用品を手に取って,材質や製造方法を無意識のうちに考えてしまう」という回答もありました。また,「自分ならどうするか」をつい考える技術者もいます。仕事とは無関係に遊びに出たときにも,「あれはどう見ても我が社の製造機械による製品だな」「あれを我が社の製造機械で作るとなるとどうなるんだ」と考えを巡らせてしまう,という技術者の方もいらっしゃいました。

 仕事中に限らず,日常でも論理的な考え方をしていて,そのときに「自分を技術者と感じる」という回答もありました。「物事を論理的に考えるような場面に遭遇するとき」「文章の作成で,論理的な整合性や言葉の定義へのこだわりが強いと意識するとき」といった回答です。中には,「日常でも論理立てて考えてしまうので,家族から『理屈っぽい』と言われる」「会話をロジックで組み立てると煙たがられることがあるので,一般の人との会話では抑えている」といった回答もありました。良くも悪くも,仕事だけでなく日常生活でも論理的な考え方をする技術者は少なくないようです。