徹底した品質管理は国内生産ならでは

 BTOパソコンを発注する際には、まずベースとなるモデルを決め、必要なパーツ、ソフトなどを選んでいく。例えば、まずノート型かデスクトップ型かを決め、次にOS、CPU、メモリー、SSD、グラフィックスカード、光学ドライブといった具合に選んでいく。法人でのまとまった注文であれば、マウスコンピューターの営業担当がモデルやスペックについて相談に乗ってくれる。

 これらの注文内容は「構成表」に打ち出される。構成表は出荷曜日ごとに5色に色分けされている。例えば月曜日なら黄色、火曜日は青と決まっており、工場内のスタッフは頭に叩き込んでいるので間違えることはない。

色分けされた構成表を手に取るマウスコンピューター飯山工場工場長の松本一成氏
[画像のクリックで拡大表示]

 構成表のバーコードをスキャンすると、在庫保管棚で指定された部材場所のランプが点灯するので、正確にピッキングでき、それらを1つのケースに収める。必要部材を再度確認した上で、構成表に「済」の印を打ち、組み立てに回す。セル生産方式を採用しており、1人のスタッフが1台を最後まで担当する。担当ブースのモニターには製造指示書が表示され、それに従って組み立てていくので、すべて手作業であるが、新人でも比較的早く作業ができるようになる。

 製造部門で管理を担当する小林真由美氏は「毎回違う製品を組み立てるので楽しいし、神経を集中できます」と語る。もちろん、ただ組み立てればいいというものではなく、構成によってケーブルの引き回しを変えたり、整然と収納したりするなど“技”が求められる。「差し込んだコネクタなどが振動で抜け落ちたりしないように、また、部品に対して負担がかからないようにケーブルに一定の遊びを持たせたり、脱落しやすい部材はテープで保護することもあります」と小林氏。

マウスコンピューター飯山工場の製造部門で管理を担当する小林真由美氏
[画像のクリックで拡大表示]

 組み立てが完了すると、別のスタッフが1台1台、目視によって組み立ての精度を検査する。その後、OSやソフトなどをインストールし、実際に起動してすべての機能、動作を確認。さらに、パソコンを起動させ、数時間フル回転させ負荷を与える試験も行う。

 クリエイター向けモデルのDAIVではパネルの色温度を測定したり、紙を高性能プリンターで出力して色味を確認したりする。液晶モニターやタブレットなど一部製品のパネル部材は、マイナス30度からプラス80度での温度試験ができる環境試験室で結露や高温時の影響などもチェックしている。

 ここまで確認するのかというほど厳しい品質チェックだが、さらに品質管理部が完成品の6%以上を抜き取り検査しているというから驚く。国内工場だからこそ、ここまでスピーディーかつ綿密にできるのだろう。

マウスコンピューター飯山工場でのBTOパソコン製造の様子
[画像のクリックで拡大表示]