生産性の向上や働き方改革の推進では、言うまでもなくIT機器の上手な活用がカギを握る。特にパソコンは、求められる効率や業務の目的に合致した性能とスペックを十分検討せずに導入すると後で痛い目に遭う。

 それではどのようにパソコンを選べばよいのか。キーワードは「BTO」だ。

 BTOとは、Build To Orderの略。すなわち受注生産である。従来、パソコンの世界でパーツなどを自ら選択するBTOは、習熟度の高いユーザーや大口顧客向けと思われていた。しかし、マウスコンピューターではすべての顧客に対し、1台からでもBTOを受け付けている。

 BTOパソコンはいったいどのように作られているのか、長野県飯山市にあるマウスコンピューターの飯山工場を訪ねた。

マウスコンピューターの飯山工場
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 マウスコンピューターは、高品質でリーズナブルな製品をスピーディーに顧客に届けるため、国内生産にこだわっている。午前11時までの発注は、最短で翌営業日に出荷する。通常は3~4営業日で配送する。

 飯山工場で工場長を務める松本一成氏によると、パソコンの部材は約1000アイテム、組み合わせはおよそ3万通りにもなるという。

 特に重要な電源やマザーボードは、同社の開発部がパーツメーカーと共同で設計・開発・評価をしている。他の部材も開発部の担当者がOSやドライバーのバージョン、組み合わせによる問題などを機能評価した上で製造部門に渡す。BTOの部材が多いので互換性の問題などを回避するためである。そのため、飯山工場では製造と開発部門が同居しているのだ。組み立てスタッフがマニュアルとして使用する製造指示書も開発部門が作成している。

 納入された部材は受入検査が行われ、シリアル番号が貼付されていなければ同社で新たに発行する。このシリアル番号を注文情報と紐づけることで、パソコンの組み立てを行う際に部材の取り間違えを防ぐ。さらに、何かトラブルがあった際に、そのパソコンに使用されている部材がいつ入荷されたものなのか、特定することができる。これにより、トラブルの原因の検証に役立てることができる。