孫正義氏とアリババ馬氏、CEOのあるべき姿を議論

2019/12/06 17:55
野々村 洸=日経 xTECH/日経コンピュータ

 ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長と中国アリババ集団創業者の馬雲(ジャック・マー)氏は2019年12月6日、「Tokyo Forum(東京フォーラム)2019」(東京大学本郷キャンパス)で特別対談プログラムに登壇した。両者が出会ったエピソード、CEO(最高経営責任者)の在り方などを語った。

ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長と中国アリババ集団創業者のジャック・マー氏
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 まず孫氏はマー氏と出会った日について「当時多くのスタートアップの経営者と対面した。事業計画を理路整然と語る人、ただ出資を求める人がいたと思う。ただその中でジャックだけが事業計画や出資金に触れず、世界がどうあるべきかと情熱のこもった理念と哲学をぶつけてきた」と語った。続けて「ジャックとの話し合いは10分だけだった。だが5分で理念に納得し、残り5分間で出資させてほしいとこちらから説得していた」と印象的なエピソードを話した。

孫正義会長兼社長
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 孫氏はマー氏を「プログラミングや法律などのエキスパートでない。だがさまざまな分野のエキスパートを引き寄せる人柄。さらに若い人たちの優れた部分を伸ばし、エキスパートに育てられる力がある。それが素晴らしいチームづくりにつながっている」と評した。マー氏は孫氏の評価を受け、「CEOは組織を素晴らしい方向に導かないといけない。組織における適切な人材を見つけ、従業員に仕事ができる道具を与え、明るい未来を指し示す。従業員を大切にできないとダメ。従業員に力を与えれば、おのずと会社のビジネスが良くなる」と述べるとともに、「CEOはチーフ・エグゼクティブ・オフィサーの略ではない。チーフ・エデュケーション・オフィサーだ」と熱弁をふるった。

ジャック・マー氏
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 マー氏はテクノロジーが発展した未来を迎えるにあたり、「人類がテクノロジーを受け入れる準備をしていく必要がある」と指摘。例えば子どもたちの学習・教育内容を変更していくことなどを挙げた。「今まで教育を受けた人間は知識を蓄え、より早く計算し、機械のように働いてきた。デジタル時代は機械が人間のように働く。もはや人間は機械ではない。子どもたちに創造性を持った、イノベーションあふれる存在になってほしい」(マー氏)とした。

 現在も両者は夕食会などを通じて意見を交換する仲で、「敬意を表しながらも異なる意見であれば、正面からぶつかり合っている。それと人間は得意不得意があるため、私が得意な分野においては正義さんへの協力を惜しまない」(マー氏)と対談を通して深い絆が垣間見えた。

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