デロイト トーマツ ベンチャーサポートは2019年12月3日、スタートアップと大企業の協業を支援するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)の「six brain」を開発したと発表した。2019年12月26日から登録申し込みを受け付け、2020年5月の本格サービス開始を予定する。

デロイト トーマツ ベンチャーサポートが開発した「six brain」の画面。AIでスタートアップと大企業のマッチングを提案する
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 スタートアップと大企業の担当者それぞれがsix brainに登録する。大企業が自社の事業内容や協業したいスタートアップの情報を入力すると、AI(人工知能)が候補のスタートアップを提案する。AIは過去にデロイトグループが携わった協業案件のデータベースを基に構築した。単なるキーワード検索と異なり、現実の協業実態を反映した提案になるという。

 「大企業がスタートアップと協業する例は増えつつあるが、現状では協業先を探して決めるまでに時間がかかりすぎる。six brainでこの問題を解決し、協業する両社が事業そのものにもっと(時間を使って)コミットできるように変えたい」。デロイト トーマツ ベンチャーサポートの斎藤祐馬社長は発表会で意気込みを語った。

Wovn Technologiesの上森久之COO(最高執行責任者、左)と近鉄ベンチャーパートナーズの藤田一人社長
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 発表会にはsix brainを先行して利用する企業の関係者も登壇した。Webサイト多言語化ツールを開発するスタートアップであるWovn Technologies(東京・港)は、six brainがきっかけで近鉄グループホールディングスと業務提携したという。近鉄グループ内の鉄道やバス、ホテル、百貨店などで共通して使う多言語化のための辞書をつくり、近鉄グループのWebサイトやアプリの多言語化に取り組む計画だ。

 「急増する訪日客への対応力向上は近鉄グループの大きな経営課題で、これを解決できる協業先を探していた。取引先銀行からの紹介といった従来の方法ではWovnのようなスタートアップと知り合うのは難しかっただろう」。近鉄ベンチャーパートナーズの藤田一人社長はsix brainの価値をこう話した。

 一方のWovnの上森久之COO(最高執行責任者)は次のように話した。「当社の(多言語化)ツールは世の中で使ってもらえなければ意味が無い。まずは公共インフラを提供する企業に使ってもらうことで世に広げたいと考えたが、スタートアップが大企業に個別にコンタクトしても、キーパーソンにたどり着くまでに時間がかかりすぎる。その点でsix brainが役に立った」。

 six brainは無料で一部機能を利用できる。多くの機能を使うにはスタートアップは月額9800円(税別)から、大企業は月額30万円(同)からの月額料金がかかる。