建設機械・作業車レンタルのアクティオ(本社東京)は、軽トラックの改造による「小型軌陸自動車」を開発し、「第6回鉄道技術展」(2019年11月27~29日、幕張メッセ)で出展した(図1ニュースリリース)。災害時などの運転再開に先立つ線路点検などに利用でき、要員2人という少人数で運用できる。在来線の狭軌(軌間1067mm)向けにJR東日本水戸支社と共同開発し、現在試用中だ。

図1 アクティオが開発した「小型軌陸自動車」
(写真:日経 xTECH)
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 これまでは屋根のない作業車を使う場合が多く、雨風だけでなく熊の出現などによっても作業が中断したり、作業員の安全性が確保できなかったりする弱点があった。JR東日本水戸支社に採用となり、現在耐久試験の段階だが、2019年の台風15号や同19号の際には実働したという。

 ホンダ・アクティをベースに、車体中央下部に自らをジャッキアップする転車台(ターンテーブル)を、車体前後下部に軌道走行用の鉄車輪を設けた(図2)。踏切の上などで転車台により車体を持ち上げ、線路と平行な向きにしてから車体を下ろして線路に載せる(載線)。軌道走行時には鉄輪を下ろし、4つのタイヤは持ち上げる。ただし後方のタイヤにギヤを押し付け、これを介して鉄輪を駆動する。荷台は重量物の運搬用途とはしていないが、倒木を除去するためのチェーンソーなどを搭載できる。

図2 車体下部の機構
後タイヤにギヤを押し付けて回転運動を取り出し、鉄輪に伝える。写真の右に転車台が見える。(写真:日経 xTECH)
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 開発にあたっては、JR東日本水戸支社のニーズを踏まえると同時に、既存規格に合致しない仕様については特別に認証してもらうなどの協力を得た。例えば鉄輪の直径は220mmと小型化したが、本来の規定ではもっと大きくするところ、小型で軽量の作業車を開発するという目的に照らして認証を得た。「勝手に自社で開発できるものではなく、JR東日本との協力の上ではじめて実現できた」(同社)としている。

 難しかったのはベースにする車体の選択。軽トラックは軽く、鉄輪や転車台などの重量物を付けると転覆などの心配がある。さらに、転車台は車体中央に設けなければならず、鉄輪用の駆動機構などと取り合いになるため、重量のバランスを確保しつつ所定の装備を装着する設計が難しかったという。