オムロンと独シーメンス(Siemens)の日本法人は2019年11月27日、両社のIoT(インターネット・オブ・シングズ)基盤を連携させると発表した。工場の生産設備のデータ収集・活用を支援するオムロンの「i-BELT」と、クラウド上でIoT機器のデータを管理するするシーメンスの「MindSphere」を連携させ、複数の拠点を横断したデータ活用を支援する。

シーメンス日本法人の藤田研一CEO(左)とオムロンの山本真之執行役員
[画像のクリックで拡大表示]

 オムロンの山本真之インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー企画室室長執行役員は両社の連携で「複数拠点にまたがる生産現場のデータを収集・分析し、製品の生産性向上、高品質化を実現する」と訴えた。オムロンのi-BELTは工場内の機器の稼働状況データを収集・分析し、稼働管理や故障予知に役立てるためのサービスだ。原則として同一工場内のデータを分析するためのシステムのため、複数拠点のデータを集約するには手間がかかる。そこでクラウドを介してデータを収集・分析できるシーメンスのMindSphereを利用できるようにする。

 すでにオムロンはAmazon Web Services(AWS)ともデータ連携できるよう提携済みだ。オムロンの山本執行役員はMindSphereについて、欧州企業を中心に「多くの顧客を抱えており、評価が高いIoT基盤サービスだ。提携により顧客企業の選択肢を広げる」と話す。オムロンはシーメンスとの協業を入り口に、欧州でIoT事業を拡販する狙いもある。

 オムロンは2019年11月から同社の草津工場(滋賀県草津市)などでMindSphereを活用した実証実験を始めた。金型加工機の最適制御でのデータ分析の効率向上を目指している。「多くの拠点・設備からデータ収集ができるので、分析精度やアルゴリズムの汎用性が高まる」(オムロンの井上宏之インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー企画室IoTプロジェクト本部長)。

実証実験の内容
[画像のクリックで拡大表示]

 実証実験を通し、エッジAIでデータをどのように加工してクラウドに上げるか、熟練技術者がどのようなデータを捨てているのか、エッジとクラウドでどのような分析をしていくかなどを見極める。 草津工場などでの実証実験を進め、2021年度にもクラウドとエッジを連携させた工場・製造現場支援サービスを提供する計画だ。