山形大学と日本IBMは2019年11月15日、ペルーのナスカ台地とその周辺でAI(人工知能)により新たな地上絵を発見したと発表した。IBMの深層学習プラットフォーム「IBM Watson Machine Learning Community Edtion」を使い空撮写真から地上絵を1点発見した。

 山形大学は2004年からナスカの地上絵の研究に取り組み、2016~18年の間に新たに人型や人首、鳥、ラクダ科動物などの142点の地上絵を発見した実績がある。IBMと2018年からAIを使って地上絵を発見する実証実験を開始し、今回「つえを持った人型の地上絵」を新たに発見するに至った。

山形大学と日本IBMが発見した新たな地上絵
[画像のクリックで拡大表示]

 実証実験では以前発見されていた地上絵の画像と緯度・経度の座標情報などを教師データとしてAIに学習させてモデルを作った。深層学習のフレームワークにはChainerを利用。山形大学から提供された空撮写真を学習済みモデルに与えて地上絵がありそうなポイントを500点ほど抽出し、最終的に山形大学のメンバーが現地調査で地上絵かどうかを判断した。

AIを使って地上絵を発見する仕組み
[画像のクリックで拡大表示]

 ナスカの地上絵を調査している山形大学学術研究院の坂井正人教授は「空撮写真とAIにより地上絵を発見できた。調査スピードの向上が期待できる」と実証実験の成果を説明する。今後、山形大学と日本IBMは過去10年間の現地調査データをAIで解析し、地上絵の分布図を作る予定だという。