ヤンマーエネルギーシステム(本社大阪市)は、もみ殻を燃料として用いるコージェネレーションシステム(CGS)「もみ殻ガス化発電システム」を開発。2019年8月、約200Haの農地で米や野菜を生産するフクハラファーム(本社滋賀県彦根市)の敷地内に設置し、実証を開始した(図1、ニュースリリース)。もみ殻の処理にかかるコストを減らすとともに、省エネルギーを図る。

図1:もみ殻ガス化発電システム
(出所:ヤンマー)
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 同システムは、もみ殻を燃料としてガス化し、熱と電気を発生させる小規模分散型のCGS。発電量は15kWで、年間では7万5000kWhの発電を計画している。

 もみ殻は適切に処理しないと結晶質シリカが発生するため、ガス化炉には有害物質を発生させない仕組みを導入した(図2)。さらに、燃焼の副産物である「くん炭」は無害で、肥料となる成分を含むことも確認している(図3)。具体的には、保水性の向上や土壌微生物の活性化といった効果が期待できる可溶ケイ酸とカリウムを含有する。

図2:ガス化炉
(出所:ヤンマー)
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図3:もみ殻(左)と、もみ殻の燃焼後に発生するくん炭(右)
(出所:ヤンマー)
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 ヤンマーエネルギーシステムによると、国内で発生するもみ殻の量は年間で約200万t。一部はたい肥などに利用されるものの、エネルギー源としては使われない。かつては一般的な処理法だった野焼きが禁止されたため、稲作産業ではもみ殻の処理が課題になっているという。

 フクハラファームでも、年間に約200tのもみ殻が発生する。もみ殻ガス化発電システムの利用により、農場の規模拡大に伴って増えるもみ殻の処理問題を解決できる上、発電した電気の自家消費による省エネも可能という。くん炭を農地に還元することで、エネルギーの地産地消の仕組みと併せて資源循環型モデルも構築できる(図4)。

図4:資源循環型農業のイメージ
(出所:ヤンマー)
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