宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」が、ついに地球への帰還に向けたフェーズに入った。2018年6月27日に到着し、その後約1年4カ月の間、調査を続けていた小惑星「リュウグウ」から、2019年11月13日午前10時5分(機上時間、日本標準時)、化学推進系スラスターを噴射し離脱を開始した。

 JAXAによれば、同スラスターの噴射は予定通り実施され、リュウグウからの高度20kmの地点から9.2cm/sの速度で離脱を開始した。はやぶさ2の状態は正常。今後は同月18日までリュウグウから離れながら、望遠の光学カメラ「ONC-T」でリュウグウを撮影する「リュウグウお別れ観測」を実施する。

 はやぶさ2プロジェクトチームプロジェクトマネージャの津田雄一氏によれば、「リュウグウの重力が影響する範囲であるヒル圏(リュウグウからの高度65km)に達するのは予定では11月18日」()。ここで翌19日にかけて探査機本体の設定をリュウグウ観測用から帰還用のものに切り替える。加えて、イオンエンジンの運転に向けた姿勢に探査機本体を切り替える。太陽電池パドルを太陽に向け、イオンエンジンに必要な電力を発電できるようにする。この切り替えにより、リュウグウの観測はできなくなる。

図 はやぶさ2プロジェクトチームプロジェクトマネージャの津田雄一氏
図 はやぶさ2プロジェクトチームプロジェクトマネージャの津田雄一氏
2019年11月12日、JAXAは記者説明会を開き、2019年11月13日にリュウグウからの離脱を開始する計画であることを発表した。(撮影:日経 xTECH)
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 その後、同月20日~翌12月2日、2018年6月9日を最後に停止していたイオンエンジンを試運転。同エンジンの性能を確認した上で、必要に応じてチューニングを施し、12月3日以降にイオンエンジンの巡行運転を開始する。