米マイクロソフト社製造担当副社長のチャレヤン・アルカン氏  写真:日経 xTECH
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 米マイクロソフト社製造担当副社長のチャレヤン・アルカン氏は2019年10月31日、日本の製造業に関して「エコシステム全体に対して改革を手助けするソリューションを開発、提供していきたい。そのために力のあるメーカーとの提携を進めている」などと語った。

 エコシステム(生態系)は、B to Bの機械製品を提供するメーカーがあり、そこから製品を購入して他の製品を造って提供し、という連鎖体系を指す。「例えば機械要素部品のTHKと2019年9月に、同社の顧客向けクラウドサービスについてMicrosoft Azureで協力すると提携した」(同氏)。マイクロソフトにとって単に顧客であるというより、製造業の実情に基づいて改革手段(ソリューション)を共同で開発するパートナー、と位置付けたいとみられる。

 2019年5月にはソニーとゲーム、半導体それぞれの分野で提携。コマツ、三菱電機とクラウド提供などで以前から提携しており、パナソニックとは働き方改革などについて協力しているとした上で「2014年2月にマイクロソフトのCEOが『われわれは顧客に寄り添わなければならない』と言った。それ以来、顧客が求めているものを知ってそれを提供するように企業文化を変えてきた」という。「

 具体的には、マイクロソフトとして現在4つのテーマがあるという。「働き方改革、イノベーション、工場やサプライチェーンの効率改善、持続可能性だ」(アルカン氏)。これらのテーマでの顧客の改革に関して、クラウドと人工知能(AI)の提供で支援する。例えば働き方改革であればノウハウの継承、イノベーションについてはネットワークにつながる製品とそれに関するサービス提供、持続可能性についてはエネルギー利用の最適化にAIを適用。「マイクロソフト自身がサーフェスノートやホロレンズなどの製造業であり、同じテーマで我々自身が課題解決や効率化を図ってきた」(同氏)。

 テーマが4つといいながら多岐にわたり、ほとんど全部ともいってもよいが、顧客企業との関係が特定の製品やサービスを提供するだけではなくなってきたことを同氏はにじませる。「企業の大小に関係なく、実力があったり、狭い範囲でも高いシェアを持っていたりする企業とパートナー関係を築いていきたい。日本でどのようにパートナーを増やし、エコシステムを発展させていくか、やりがいを感じる」(同氏)とした。