CRM(顧客関係管理)の普及・推進を手掛ける一般社団法人CRM協議会(藤枝純教会長)は2019年10月29日、東京都内で「2019 CRMベストプラクティス賞」の表彰式を開催した。CRMへの取り組みで成果を出していると表彰されたのはアスクルや大阪ガスなど合計13組織。CRM協議会はCRMを「Customer-Centric Relationship Management」と定義している。藤枝会長は「顧客中心主義を徹底していく上では、米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)創業者のジェフ・ベゾス氏が語るように『いつでもお客様のことばかり考えている』姿勢が大切」と総括した。

 実用が様々な領域で進んでいるAIはCRMにおいても使われており、今回はアスクルと大阪ガスがそうした取り組みで受賞した。アスクルのカスタマーエンゲージメント部門はチャットボットによる顧客対応にAIを導入、個々の顧客の購買履歴に基づいてカスタマイズした返答を可能にした。大阪ガスは顧客やメンテナンスのデータを収集・分析して顧客ニーズの予測に生かしていたが、AIを適用して複数の分析手法から最適なものを選択できるようにし、分析の精度を高めた。

アスクル カスタマーエンゲージメント マネージャーの横田香菜子氏(右)とCRM協議会の藤枝純教会長(左)
(撮影:高下 義弘)
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 自治体で受賞したところもある。三重県津市は市民を「顧客」ととらえ、介護保険に関わる医療・医療の垣根を取り払った仕組みづくりを進めており、これが受賞につながった。表彰式には前葉泰幸市長が登壇し、市役所として取り組む顧客中心主義の基本姿勢と考え方について語った。また同じ三重県の自動車販売会社ホンダオート三重は社内のデータ分析を通じて、業務時間を1時間短縮しつつ顧客サービスを維持する施策を実現したことが評価された。

三重県津市の前葉泰幸市長
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 以下が2019 CRMベストプラクティス賞の受賞企業・組織一覧である。

2019 CRMベストプラクティス賞 受賞企業組織一覧
受賞企業・組織(五十音順) 受賞モデル名
アスクル カスタマーエンゲージメント チャットボット・パーソナライズド・モデル
大阪ガス データ分析・戦略活用モデル
新日本工業 CRM基点のビジネス変容・挑戦モデル
セゾン情報システムズ HULFT事業部 情報公開による自己解決促進モデル
大同メタル工業 業務改革・ICTユニット 業務改革推進室 全社一丸営業改革・検証モデル
津市 健康寿命延伸・パイロットデータ・モデル
凸版印刷 情報コミュニケーション事業本部 B2B型Web営業プロトタイプ・モデル
パナソニック アプライアンス社 日本地域コンシューマーマーケティング部門 CS推進センター カスタマーケアセンター 自己解決型・Webサポート・モデル
ビジョン 顧客利便性強化モデル
フォーラムエイト システム営業グループ インターナショナルセールス 潜在顧客育成による海外展開モデル
ホンダオート三重 データ分析活用・働き方改革モデル
みずほ証券 顧客変化・対応モデル
三井住友海上火災保険 コンタクトセンター企画部 コンタクトセンター・デジタル対応モデル
(その他/「2019 CRM奨励賞」受賞企業)やさしい手