OKIエンジニアリング(本社東京、OEG)は、車載電子機器・装置向けの新たな試験サービス拠点「群馬カーエレクトロニクス テストラボ」(群馬県伊勢崎市)を、OKIの関連会社である沖電線(本社川崎市)群馬工場内に開設した。2019年11月1日から稼働開始する。2017年に埼玉県本庄市に開設した「カーエレクトロニクス テストラボ」(以下、本庄ラボ)に続く車載機器向けテスト設備の第2弾として、主に長期信頼性試験を手掛ける。
新施設の開設により、OEGの電子機器の信頼性試験の処理能力は20%ほど増強するという。「(車載機器の信頼性評価に必要な)各種試験をワンストップで提供できるのがOEGの強み。受託試験ベンダーとしてNo.1を目指す」(OEG代表取締役社長執行役員の橋本雅明氏)。具体的目標としては、2019年度に自動車分野の売上高において前年比15%増を目指すとしている。
OEGは、群馬カーエレクトロニクス テストラボを「スマートテストラボ」と位置付けている。ITを駆使し、少人数で24時間・365日、試験装置を運用するというコンセプトが特徴だ。エンジン寿命を想定した温湿度試験や熱衝撃試験は、3000時間(4カ月強)に及ぶものもある。これを少人数でこなすため、全ての試験装置に信号灯を設置するとともに、複数のネットワークカメラで装置のあるフロアを監視。監視映像から異常が発生すればすぐに分かるようにした。これにより、本来は5~7人程度必要なところを、当面は2人の常駐者がいれば運用できるという。加えて2020年度には、本社や本庄ラボから試験対象品を観察したり、試験装置を遠隔で監視・操作したりできるようにする計画だ。