個人情報保護委員会は2019年10月25日、地方自治体などがそれぞれ独自に定めている個人情報保護条例の一元化に向けて、自治体などを交えた実務的な意見交換の場となる懇談会を設置すると発表した。2019年11月に初会合を開く。

 全国の都道府県や市区町村などの地方公共団体はそれぞれ個人情報保護の条例などを定めている。個人情報の定義なども異なるため、「個人情報保護法制2000個問題」と呼ばれてきた。医療や疫学調査などではルールが壁になって個人データが入手しにくいという指摘や、入手できてもフォーマットが異なるため効率的に利用できないといった指摘がされてきたという。

 一方で、2020年1月の通常国会に向けて個人情報保護法の改正を検討している同委員会には、行政機関や独立行政法人、地方公共団体にそれぞれ適用している個人情報保護制度の統合や、個人情報の取り扱いについて、同委員会が所管するよう求める意見が寄せられていた。懇談会の設置はこれらの意見を踏まえたものという。

個人情報保護法の次期改正とは別に検討

 懇談会は全国知事会や全国市長会といった地方三団体などが参加し、総務省の自治行政局地域情報政策室がオブザーバーとして加わる。個人情報の取り扱いについて、個人情報保護法による一元化を含む地方公共団体の個人情報保護の規律や、個人情報保護制度についての国と地方の役割分担の在り方などを議論する。検討内容は原則公表する。

 同日の委員会では、委員から「実態の把握を第一に進めてほしい」という意見や、「自治体の多様性を考慮した負担軽減」などの配慮を求める意見があったという。

 現行の個人情報保護法の付則は、行政機関など公的分野の個人情報について「一体的に規定することを含め、個人情報の保護に関する法制の在り方について検討する」と定めている。ただ、懇談会の検討結果は次期改正には間に合わないため、一元化に向けた法制度改正については次期改正とは別に検討する。

 一方、行政機関に適用する行政機関個人情報保護法などの見直しについて、同委員会の事務局は「現行法の付則に具体的に書き込まれているので、地方公共団体の話よりも議論の熟度は相対的には進んでいるのではないか」と指摘する。暗に所管する総務省に検討を急ぐよう求めた。