中国の電池メーカー、CATL(Contemporary Amperex Technology Co. Limited)は2019年10月13日、南米でVolkswagenブランドの大型トラックとバスを製造するブラジルVWCO(Volkswagen Caminhões e Ônibus)と長期的かつ戦略的な提携を結んだと発表した。その第一歩としてCATLは、リン酸鉄リチウム(LFP)を使ったLiイオン2次電池パックを、VWCOが2020年に発売を予定している電動トラック「e-Delivery」に向けて供給する。

(写真:CATL)
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 この電池は、CATLが商用車向けに開発した標準電池パックをベースとする。リン酸鉄リチウムを使った電池は長寿命で、最高800℃までの耐熱性を有し、安全性と信頼性に優れていると言われる。同社は電池製品に対し、火災や振動、衝突など様々な危険な状況を想定した300項目以上の試験で検証しているという。また、防水/防塵規格「IP68」も満たし、ブラジルの高温多湿の環境に合わせて電池パックに冷却プレートも装着した。

 CATLの商用車向け標準電池は、70以上の特許技術を含む「CTP(cell–to-pack)」技術をもとに生産される。従来のモジュール部品を排除して、統合化率を75%から90%に上げ、160Wh/kgという高いシステムエネルギー密度を実現したとする。これにより高いエネルギー密度で長寿命、高効率の電池を実現し、ユーザーの総所有コスト(TCO)を削減できるという。

(写真:CATL)
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 VWCOはブラジルで初めて電動トラックを製造するにあたり、様々なパートナー企業とeコンソーシアムを設立した。パートナー企業はCATLのほか、充電システムを手掛けるドイツSiemens、電動部品を供給するドイツBoschやブラジルWEG、エンジニアリングサービスを提供するスウェーデンSemcon、駆動部品を供給する米Meritorなど。

 このeコンソーシアムは、VWがブラジルで展開している「モジュラーコンソーシアム」の電動車版となる。モジュラーコンソーシアムは、部品メーカーと自動車メーカーの新しい協力関係で、サプライヤーは部品を供給するだけでなく車両への組み込みも手掛ける。自動車メーカーは組立作業を減らし、物流や製品エンジニアリング、品質管理、顧客サービスに集中するというもの。