内閣府は2019年10月15日、東京の臨海部で大規模な自動運転の実証実験を始めると発表した。トヨタ自動車やフォルクスワーゲン グループ ジャパン、ビー・エム・ダブリューなどの自動車メーカーや部品メーカー、自動運転技術の開発に積極的な埼玉工業大学など、産官学から28の会社と機関が参加する。28社・機関は期間中に合計100台程度の自動運転車を投入する見通しだ。

内閣府庁舎前に並んだトヨタ自動車など各社の自動運転車
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 同日から2021年3月までの約1年半、お台場・有明地区の約30カ所の信号機で無線情報発信機を稼働させる。参加企業に共通の受信機を配り、信号情報を使って自動運転を制御できるようにする。高精度な3次元地図データも共同で作成・活用する。

 28社・機関の中には競合関係にある会社もある。互いに自動運転技術の手の内を明かしたくないと考えてもおかしくない。そこで内閣府の取り組みでは、道路インフラと連携する部分などは「協調領域」として、全参加者が同じ機材・技術を使い、検証結果を共有する。一方で、独自の車載センサー技術やAI(人工知能)による判断技術などは「競争領域」として区別して、技術や検証結果の機密性を担保する。

内閣府の葛巻清吾自動運転担当プログラムディレクター
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 トヨタ自動車先進技術開発カンパニーフェローで、内閣府の自動運転担当プログラムディレクターを務める葛巻清吾氏は、「トヨタでも世界シェアは1割ほどにすぎず、1社だけでいくら頑張っても自動運転車の普及は難しい」と話した。「信号や地図のようなところは一緒にやったほうがメリットが大きいという考えから、多くのメーカーが参加してくれた」と続けた。