大型で猛烈な台風19号が2019年10月12~13日にも日本列島へ接近し上陸の恐れもあることを踏まえ、固定・移動通信各社が2019年10月9日までに早めの備えに動いている。2019年9月に上陸した台風15号で千葉県内を中心に固定回線の不通や携帯電話の停波が相次いだことを教訓に、各社とも通常の台風襲来時より早期に対策を始めた。一部事業者は通常の台風より大規模な態勢で、通信障害の再発防止に万全を期す。

 NTT東日本は営業エリアの全17都道県で、10月7日午後6時から警戒態勢に入った。「通常の台風襲来時はこれほど早く警戒態勢に入ることはほとんどない。今回は早めに動いている」(NTT東日本広報)。

 台風接近時に警戒や復旧に当たる人員の手配を始めたほか、電話局をはじめとする通信設備の浸水対策、暴風による工事用資材の飛散対策、電源車の整備や通信障害発生時のオペレーションの確認といった対策を進めている。並行して「営業エリアの各自治体に連絡を取り、災害用公衆電話の準備など各自治体の要望を事前に確認して対応している」(同)。

 同社によると、台風15号では土砂崩れや倒木などにより、千葉県内を中心に1341カ所で電柱の折損や電話線の断線が発生。立ち入り禁止区域を除き9月30日までに復旧作業を完了させているが、契約者宅への引き込み線や電話機の故障などもあり、10月7日時点で約5600回線(契約者からの申告ベース)が不通となっている。

 普段は同社の各営業エリアにいる復旧作業人員の約半数を千葉県に派遣しているほか、NTT西日本からも応援を受けて復旧作業を急いでいる。全面復旧に至らないなか再び台風が接近していることもあり、早期の警戒態勢に加えて「東日本各地の支社や自治体との連携をより緊密に取る」ことで備えに万全を期す。

 ソフトバンクも通常の台風対策より時期を前倒しし、内容も手厚くしている。「携帯電話の停波時に復旧作業に使う移動基地局や可搬基地局を、被害が想定される地域へ既に移動し始めた。基地局の停電時に使う予備のバッテリーや燃料も、通常の台風接近時より多めに準備している」(ソフトバンク広報)。

 同社は台風15号による携帯電話の停波は解消しているものの「現在も千葉県内の一部で臨時の通信設備を使ってサービスを提供している」(同)といい、台風19号で被害が再発しないよう備えを急ぐ。

 NTTドコモは通常の台風接近時と同様に、復旧用の作業車や発電機の点検を進めるほか「台風接近に合わせて24時間態勢で対応できるよう臨時の人員シフトを組んでいる。離島など台風接近時の移動が難しい地域へは、あらかじめ人員を移動させる」(NTTドコモ広報)としている。

 KDDIは「台風の進路を複数想定しながら、通信の運用や復旧作業を担当する人員や、移動基地局・車載基地局・電源車・ポータブル発電機などの機材を迅速に配備できるよう、対策を検討している」(KDDI広報)とする。