住友ゴム工業と日立製作所、PTCジャパン(東京・新宿)は2019年10月3日、AI(人工知能)とIoT(インターネット・オブ・シングズ)を使ったタイヤ生産システムの構築で協業すると発表した。住友ゴム工業は国内外の工場12拠点を2025年までに同システムでスマート化していく計画だ。

左から、日立製作所の榎堀武産業・流通ビジネスユニット産業ソリューション・サービス部部長、住友ゴム工業の山田清樹製造IoT推進室長、PTCジャパンの成田裕次製品技術事業部執行役員副社長
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 「現場の全ての人がデータに基づいて意思決定できるようにする」。住友ゴム工業の山田清樹製造IoT推進室長は記者発表会でそう意気込みを語った。生産工程の設備などでデータを収集し、収集したデータを解析する。解析結果をフィードバックして、現場の「生産性・品質の向上」「予兆保全」「省エネルギー」を実現する狙いだ。加えて「(同システムの利用で)タイヤの生産性を年3%向上させる」(山田室長)とした。

工場でのデータ活用を目指す
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 タイヤ工場のスマート化において、PTCがIoTプラットフォーム「ThingWorx」で生産設備などのデータを収集して可視化する、日立はIoTプラットフォーム「Lumada」で収集したデータ解析を担う。日立のデータ解析は4Mデータ(Man:人、Machine:設備、Material:材料、Method:生産方法)を使って、生産現場の課題解決を図る。

生産現場のデータ解析
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 住友ゴム工業は今までの買収により工場ごとに異なる設備を備えているケースが出てきたという。これに対してPTCは「多様な設備と接続できる製品群で生産データを問題なく収集できるようにする」(PTCジャパンの成田裕次製品技術事業部執行役員副社長)とした。日立の榎堀武産業・流通ビジネスユニット産業ソリューション・サービス部部長は「タイヤの生産工場は組立・加工の工程と、化学製品などのようなプロセス生産の工程が複雑に絡み合っている。そこでLumadaにある両ユースケースを組み合わせて対応していきたい」とした。

多様な設備に接続できる
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 3社は2018年下期から住友ゴム工業の名古屋工場(愛知県豊田市)をモデル工場として実証実験に取り組んでいる。品質向上を目的に、各生産工程で製造条件と製品品質の相関関係を解析しており、データ収集・解析時間を90%短縮できたという。将来的に住友ゴム工業の神戸本社に工場のスマート化を管理する「集中コントロールセンター」を置き、世界規模での生産性向上を目指す。