日本航空(JAL)の子会社で旅行会社向け予約システム(GDS)「AXESS」を提供しているアクセス国際ネットワークは2019年10月2日、2021年3月末付で解散することを発表した。AXESSのサービスも同月末までに終了する。

 今回の発表に合わせてJALは、スペインの航空・旅行業向けシステム大手のアマデウスITグループ(Amadeus IT Group)と戦略的パートナーシップを締結したと発表した。JALは日本国内の旅行会社に対し、これまでAXESSで提供していたGDS機能のうち国際線予約については、アマデウスのGDS「Amadeus Selling Platform Connect」の利用を推奨するとしている。

 国内線予約については、これまでアクセス国際ネットワークがAXESSの予約端末を旅行会社に提供するなどしている。2021年4月以降はAXESSに代わりJALが旅行会社に対して予約端末を提供する方針を示しているが、「詳細は決まっていない」(JAL広報)という。国内線予約の機能については、アマデウスを基にしつつ操作体系を現行のAXESSに近づけるなどのシステム開発を実施するとみられる。

 AXESSは国内大手GDSの1つで、全日本空輸(ANA)系の「INFINI」と並び国内の旅行会社に広く普及している。2013年から稼働している現行のAXESSは英GDS大手であるトラベルポート(Travelport)のGDSを日本向けにカスタマイズしている。JALは2019年3月、AXESSの機能強化や将来のシステム刷新に向けトラベルポートと共同出資会社の設立で基本合意したと発表。アクセス国際ネットワークを新会社の傘下に移管し、JALの連結対象外とする方針を示していた。しかしトラベルポートとの間で条件面の折り合いがつかず、JALは同年9月に新会社設立を白紙撤回すると表明。AXESSの去就が注目されていた。

 AXESSと関連の強いJALの旅客系基幹システムは、2017年にアマデウスのクラウドサービス「Altea」へ移行する形で刷新を済ませている。JALはGDSについてもアマデウスと組むことで、旅行会社に対するシステムや対応端末の提供を継続し、「日本で一番多く使われているGDSであり、旅行会社のスタッフも操作に習熟している」(JALの柏頼之執行役員国際旅客販売本部長)AXESSの顧客基盤維持を図る意向とみられる。